TCGから見るIT業界の役割
物事を抽象化することが私の思考の特徴である。
そんな「抽象化する思考」から、1つ面白い結論を発見したのでアウトプットする。
それは、先日悩んでいた「自分の仕事」説明の方法である。
そのヒントは、馴染み深い「トレーディングカードゲーム(TCG)」にあった。
思考のきっかけ
きっかけはAndroidスマホ版が発表されたHearthStoneを再開したこと。
TCGの魅力の1つとして「競技性」がある。
ここ最近では、賞金ありのTCG大会がある。
なので、ふと、TCGの大会に勝つためには
どういった工程が必要なのかを考えていた。
TCGで勝つためには
カード・ルールデザイン
まず、TCGがなければ始まらない。
ゲームとして成り立つようにルールの策定、カードデザインが作られている。
デッキ製作
さて、製作されたTCGがある。
プレイヤーはゲームのルールに従って、デッキを作り始める。
単純に費用対効果の高いカードやカードの組み合わせ (シナジー)の発見によって、
勝率の高いデッキレシピが出来上がる。
ここではそれをアーキータイプ(原型)と呼ぶ。
対戦
大会の優勝や噂などによって、アーキータイプが広まる。
アーキータイプを知った人は、ここで考え方が2つに分かれる。
- 大会で優勝したアーキータイプを使うために、そのデッキレシピを使う。
- そのアーキータイプでさらに優勝を重ねたりする。
大会で優勝したアーキータイプに勝率の高いデッキレシピが生まれる。
その中で、新たなアーキータイプが生まれ、大会で優勝したりする。
いくつかのアーキータイプによって、
「環境」と呼ばれる、じゃんけんのような相性が発生する。
異なるアーキータイプ同士で、
発生した相性に対応してデッキがチューニングされていく。
環境によって異なるアーキータイプの使用率が変化する。
これをメタと呼んだりする。
メタを読むことで、自分の勝率を上げるデッキをチューニングする。
要するに
ややこしいことを書いているが、
メタを読むことが自分の勝率を上げるために
一番必要なことである。
TCGの抽象化
TCGで勝つための一連の流れを考えていると、
その流れが何かに似ていることに気付いた。
それは、IT業界の役割だった。
カード・ルールデザイン
ゲームデザイナー
ルールの策定やカードのデザインを行う。ハードウェアエンジニア
ハードウェア(コンピュータ)を開発する。
デッキ製作
対戦
プレイヤー
環境やメタに合わせて、デッキレシピをチューニングする。インフラエンジニア (ソフトウェアエンジニア
要件や状況に応じて、ソフトウェアを構築する。
TCGから見えた「自分の仕事」とは
「コンピューターを状況に合わせてチューニングする人」
限られたツールで最大限の効力を目指すことが目的。
こんな簡単なことに気がつかなかったのかと思うほど、出てきた言葉は単純だった。
ブログ後記
IT業界は、仕事などの「一連の流れ」がとても抽象化されている。
これは、コンピュータの登場が要因かもしれない。
コンピュータを扱うには、単純明快な命令を与えなければならない。
単純明快な命令を作るには、
「一連の流れ」の内容を列挙する。
「一連の流れ」の表現から専門性を取り除く。
「一連の流れ」の各工程をできる限り細分化する。
その「単純明快にすること」が、
他の「一連の流れ」との差異や共通点の発見を簡単にしている。
アウトプットをまとめていると、ふと、1つ気になった。
すべての「一連の流れ」に共通する「一連の流れ」が存在するのだろうか。
この命題、集合論の限界に近い印象を感じる。。これはまた別の機会に。
以上、たろいもでした。