ゲーミフィケーション事例:Ingress
ちょっと待て、Ingressはゲーミフィケーション以前にゲームではないか。
確かにそうだが、これはゲームそのものがゲーミフィケーションとして使用されるようになっていく例なのではないか、と考えている。
まだまだ学習中ではあるが、今回は、Ingressをゲーミフィケーションの観点から気になった点をアウトプットする。
Ingressとは?
ゲームのコンセプトは陣取りゲームである。プレイヤー(エージェント)は2つの勢力のうちのどちらかに属する。
世界各地に存在する「ポータル」を自勢力の所有とし、ポータル同士を「リンク」して三角形を描くと、その内側が「コントロールフィールド」と呼ばれる自陣になる。その面積の大きさを競う。
最大の特徴は、ゲームフィールドが世界そのもの、現実のGoogle マップによる地図そのものだということである。
ポータルは全て現実世界に存在する建造物やモニュメントなどに割り当てられており、ゲーム中でポータルを確保するためには、実際にその場所まで行かなければいけない。そのためスマートフォン上で衛星測位システム(GPS)機能を有効にすることがプレイの前提となっている。スマートフォンでインターネット接続と位置情報の取得ができれば世界中どこでもこのゲームをプレイすることができる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Ingress
Ingressのゲーミフィケーションとしての機能
知らない土地を恐れない
先日のこと。
とあるバスのツアーの最中、昼食の休憩があった。
そこでは食事をする以上の時間が与えられた。
食事を終えると、参加者は本を読んだり、ベンチで雑談をしたりしていた。
横を見ると、奥さんがiPad mini を取り出し、Ingressのポータルを探しにいこう、といった。
驚きながらも、これがIngressの力なのか、と感じた。
知らない土地ではあるもの、エージェントにしてみればどの空間も陣取りゲームのフィールドだ。
少し先に敵ポータルがあれば、壊しに行きたくなる。
それが、名も知らぬ神社であろうがなかろうが、関係ない。
知らない土地を訪れる動機付け。
Ingressがゲーミフィケーションとして機能している。
ポータルがあれば、そこは観光地。
最近では、その点に目を付けた企業がIngressとコラボレーションが多くなった。
https://plus.google.com/+SoftBank/posts/2CRxhQZKq8u
plus.google.com
2チームしかない
陣取りゲームであるが、2チームしかない点もゲーミフィケーションとして機能している点だと考える。
正直、個人戦でも構わなかったはずだ。
RPGのように敵を倒すように自分の陣地を増やしていく。
だが、Ingressには2チームしかない。
これは、思い切りのあることだと思う。
しかし、これがすごいコミュニティを構成していると考えている。
どのレイヤーのコミュニティを2つに区分するからだ。
世界を2つに。
グローバルなコミュニティを2つに分けた。
アメリカだろうが日本だろうが、関係ない。
味方は味方で、敵は敵。
知らない人だけど、同じチームによる一体感を持つ。
地域を2つに
元々近くに住んでいたローカルなレイヤーを2つに分けた。
味方にはより親近感を、敵には好奇心を。
自分の住んでいる地域にどれだけのエージェントがいるのか。
単位を2つに
学校、会社、サークルというコミュニティを2つに分けた。
味方同士では協力を、敵同士では競争を。
遊んでいる人が周りにいることで、遊び続けようと感じる。
ブログ後記
ゲーミフィケーションの手法として見ると、Ingressはゲーミフィケーションそのものなのかもしれない。
レベル、メダル、ランキングなど、どれもゲーミフィケーションの手法そのものだ。
企業コラボが今後増えていくことを考えると、
Ingressはゲームではなく、もっとより生活に密着した自分のステータスになるのかもしれない。
ポータルにいき、その店舗で買い物して、経験値をもらう。
まさにそんなRPGな未来がやってくるのだろう。
以上、たろいもでした。